初めまして!!皆さん人生楽しんでいますか?
私は現在45歳のうどん屋です。100年ほど続くうどん屋の5代目の店主です。
ここだけ聞くと、立派な老舗のうどん屋を想像されるかもしれませんが、そんなことはありません。ほぼ家族経営同然の「小さな町のうどん屋さん」です。
うどん屋としての職歴は16年ほどが経過していますが、そのうちの15年はただひたすらに店に篭ってうどんを作り続けていました。年中無休で朝から晩までひたすらにうどんを作るだけの毎日です。
「頑張って、真面目にコツコツ仕事やっていれば、食うことに困ることはないから。」
先代は常々そう口にしておりました。そして、その背中を見て育った私はなんの疑いもなく、その言葉通りに毎日、ひたすらうどんを打ち続けました。休日は正月の三ヶ日のみで後は土曜も日曜も祝日も関係なく毎日ひたすら仕事の日々でした。
うどん屋を始めて最初の3年間ぐらいはタイミング良く「うどんブーム」の波に乗ったこともあり、割合、順調にお店の売り上げも伸び、経営的にも安定した状態でした。
ところが、「ブーム」はあくまでも「ブーム 」。その勢いはあくまでも一過性のものであって、いつまでも続くわけではありません。
「ブーム 」はあくまでも上昇のきっかけに過ぎないと自覚して、きちんとしたお店の目標や目指すべき方向性をに向かって努力を怠らなかったお店以外は、皆ブームが去った後は売上不振に苦しむことになりました。
ブームの最中に新しいうどん屋が数多くオープンしたことで、競合店の増加や後継者の不在問題など、追い風がなくなった後の厳しい環境に適合できず、そのまま閉店してしまったお店も数多くあります。
当然、自分のお店もブームが去った後はかなり厳しい経営状態に陥りました。幸にして廃業、というところまでには至りませんでしたが、月々のやりくりが精一杯。
「今月はなんとかなったけど、来月は大丈夫か・・・?」
毎月の支払いが全て終わるたびに次の支払いの心配をしながら、毎日を過ごす日々でした。近隣の立地の良い場所には競合店が毎年の様に新しいお店をオープンする一方で、人口は年々減少していくばかり・・・。
大通りから外れた田舎の住宅街で営業する小さなうどん屋。誰が見ても状況はジリ貧です。
「なんとか状況を好転させる方法はないものか?」
そのことばかりを一生懸命考えてはみるけれど、最終的にたどり着く答えはと言えば
「真面目にコツコツやってさえいれば、なんとかなる!!」
堂々巡りの末にたどり着く答えは結局いつも同じ。そして、またいつもと同じ仕事をいつもと同じ要領で一生懸命に、真面目に、こなす事で1日を終えて行く毎日に戻る訳です。
今現在の私の視点ならハッキリとわかることが一つあります。
「いつもと同じ行動で得られる結果はいつもと同じ」
つまり、この時点の私は頭の中で毎日、一生懸命に
「この状況をなんとかしなきゃ」
思い悩んであれこれ考えてはいましたが、結局良い考えが思いつくことなく、いつもと同じルーチンをいつも通り一生懸命に繰り返すばかりでした。
結果、自体は好転することなく、ジリジリと売り上げは下がり続けていきます。自分ではずっとこの状況に焦り続けて、頭の中では色々と考えているのに、
「どうして結果が出ないんだ!!」
やるせ無い気持ちが募り、やがて心が折れ始めます。
「もう、何をやってもダメだ・・・・。」
自分で言うのもなんですが、朝から晩まで一生懸命に仕事をしている自信はありました。文字通り年中無休で、世間の人が休んだり遊んだりしている間も必死にうどん屋で働き続けておりました。
「真面目にコツコツやっていれば必ず結果は出る」
その言葉だけを頼りにして。
ところが現実には成果と呼べる様なものは実感できずに、日々なんとか営業を続けていくことだけで精一杯。今のところ、ギリギリなんとかやって行けているけれど、余裕とは程遠い状態。ちょっとしたアクシデントが発生したらすぐに立ち行かなくなることは明白な状態でした。
そしてある日、ついにある事実に気づきました。
「この生活はいつまで続けられるんだ?」
「この働き方やこのペースで働き続けられるのは何年だ?」
うどん屋と言う職業は詰まる所、体力仕事です。小麦粉を練って、踏んで、団子を作って、それを麺棒を使って延ばして、切って茹でる。出汁を作って、うどんのメニュー用や天ぷらの下ごしらえをし、その後、洗い物や厨房の片付け、勿論作業中は立ちっぱなし。
そう考えると今の様な体力に任せてガムシャラに働くやり方には年齢的な限界があります。その事実に気がついた時、頭を殴られた様な衝撃を受けました。
「自分に残された時間はそう長く無い!!」
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