「あなたは現在の自分の状況に満足していますか?」
この問いかけに自信を持って「はい。」と答えられる人の割合はどれぐらいなんでしょうか?
内閣府が2021年1月に発表した定点観測調査「国民生活に関する世論調査」の結果によると約55%の人が現在の生活に「概ね満足している」と回答している様です。因みにコロナ流行前の2019年以前は70%前後の方が「概ね満足」しているという結果だったので、コロナ禍以降、人々の現状への満足度ははっきりと低下している様です。
現在の日本において45%の人は「現状に満足できていない」という事です。
では、「自分が満足できていない現状」を改善して満足な現状を作り出していくためには一体どうしたら良いのでしょうか?
それには「行動」しかありません。
自分が「こうありたい」と思う姿や生活を思い描いて、その実現に向かってどんなに小さなことでも良いので「行動」を始めることです。
いくら立派な事を考えても、どんなに素晴らしいアイデアを思いついても、「行動」しないことには現実になんの変化ももたらしません。
理念なき行動は凶器であり、行動なき理念は無価値である
本田宗一郎
加えて「現状に満足している」と回答した人たちも「現状の満足度を維持する」ためには「行動」し「変化」していかないといけないのです。昨日と同じ今日、今日と同じ明日、をただただひたすらに繰り返していく事は「衰退」を意味するからです。
単純に考えても我々は時間の経過とともに年をとり、ある年齢を過ぎると肉体的には衰退を始めます。肉体的には日々、衰えているにも関わらず、今後も今と同じ生活を維持していこうと考えるならば、衰えた肉体分の満足度をどこか他の部分で補ってあげる必要があるのです。
知識で補うのか、経験値で補うのか、周囲の人の橋梁で補うのか、経済力で補うのか・・・。
方法は人それぞれでしょうけれど、どんな方法であるにせよ、現状とは違う能力を成長、変化させて対応していかないことには現状維持さえ困難になってしまうのです。
ましてや既に自分の現状に「不満」があるとするならば、それは自ら変化を求めて「行動」していくより他に方法はないのです。
そう言われても、実際に変化を求めて「行動」を起こせる人はすくないでしょう。何故なら、変化するという事は「現状を手放す」ということだからです。人間には「現状維持バイアス」と呼ばれる未知のものや変化を受け入れず、現状維持を望む心理作用が働く事が1988年にリチャード・ゼックハウザーとウィリアム・サミュエルソンによって提唱されました。
変化を受け入れる事で現在の安定した生活を失うかもしれないという損失回避性も関係しているといえます。
人間は「得」をすることよりも「損」をする事の方により大きな精神的作用を感じてしまう
心理学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーらによって提唱されたプロスペクト理論を参考にして考えてみても、我々人間にとっては「変化」を求める「行動」に大きな心理的抵抗を感じてしまうのは極々自然な反応だと言えるという事です。
つまり世の中の多くの人たちが身軽に「行動」できない理由は「失敗」に対して必要以上の恐怖を感じてしまうからである、と言えます。確かに誰しも「失敗」はしたくないに違いありません。
しかし、この問題に関しては有効な解決策が存在します。
『成功とは成功するまでやり続けることで、失敗とは成功するまでやり続けないことだ』
松下幸之助
「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」
トーマス・エジソン
仮に何かに挑戦し、求めていた成果にたどり着けなかったとしても、その挑戦で学んだ事を生かして新たに挑戦を続けてさえいれば、いずれ成果にたどり着きます。要は挑戦の過程で成果にたどり着かなかった事実は単なる「失敗」ではなく成功にたどり着くまでに必要な「経験」として捉えておくべきなのです。
「挑戦」を続けていく限り「失敗」とはみなされません。「挑戦」それ自体を諦めたときに初めてうまくいかなかった事実が「失敗」として認識されるのです。
そう考えると「失敗したら、どうしよう・・・。」と行動する前に考え込んだり、不安になったりする必要は全くないのです。初めから、万事順調に全ての事柄が進んで、そのままゴールに到達する、そんな事は起こり得ないのです。
「行動」を開始する前に、
「うまくいかなくて当たり前。トライアンドエラーを繰り返しながら、少しづつ進んでいこう。諦めなければ必ず、最後には成功できるから。」
この事実を自分の信念として心の中に刻んでおきましょう。
「行動」や「挑戦」の途中でうまくいかない事が起きてもそれは全て成功するために必要な「経験」。途中で「行動」を諦めた時に初めて「失敗」となります。だから「行動」し続けましょう。それさえすれば、あなたは必ず成功するのですから。
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