繁盛した理由が「うどんが美味しいから」だけだと危うさを感じます。

何故なら、「美味しい料理」や「画期的な性能を持った商品」など、その商品の持つパワーだけで大きなヒットやお店が有名になってしまうと、その商品のパワーが落ちた時に同じような売り上げを取り戻すためには再び、大きく「売れる商品」の登場を待たなくてはならなくなります。

ところが、どんなにその商品が「いい商品」であったとしても「売れる商品」になるかどうかはわからないのです。残念ながらどんなに一生懸命にいい商品を開発しても全く売れない可能性もあるのです。

というよりもむしろ努力のエネルギーをひたすらに「いい商品の開発」に注ぎ込んでも、いい商品ができたとしてもその後「売るための努力」を何もしなければ間違いなく「売れない可能性」の方が高いでしょう。

「売れている商品」の性能が良いのは当たり前です。繁盛している飲食店がおいしいのも当然と言えます。しかし、それとは反対の「良い商品」なのに売れていない、美味しいお店なのにお客さんがこない飲食店も世の中には多数存在しています。

であるならば、同じように良い商品なのに「売れている商品」と「売れてない商品」の差に注目してみるべきです。同じ業態のうどん屋さんで味も同じように感じるのに、行列ができているお店とそうでは無いお店があるのであれば、その差に注目してみるべきです。

つまり「売れる結果」を作り出している仕掛けについて知る事ができれば、そのやり方を真似る事で他の商品や別の環境でも「売れる結果」を得る事ができる可能性が高くなります。再現性がある、という事です。

ところが「商品」そのものはそういうわけには行きません。新商品の開発となると毎回新しい工夫やアイデアを求められます。そしてそのアイデアが必ずヒットを生み出すと約束されているわけではありません。売れるかどうかの結果は常に製品が世の中にリリースされるまでわからないのです。毎回新しいアイデアが必要となるとその「結果の再現性」が非常に低いのです。

そう考えると経営を安定させるために必要なスキルは実は「良い商品の開発」以上に「開発した商品を売る能力」だという事になります。

「現在の自分のお店にお客様が足を運んでいる理由は何だろう?」

この疑問を常に自分の中に持って、その答えを自分なりにきちんと言語化していく事は今の状況が変化した時に大きな助けになりますし、反対に今の状況を変えたいと感じた時には、違うアプローチをするための大きな武器になります。

店舗の責任者は自社の売上を生み出す要因を「製品」そのものの中に見出すのではなくて、製品が売れていく仕組み全体からきちんと見つけて理解、言語化しておく必要があると思います。

それができることによって、違う分野への進出や拡大も行う事ができるようになり、より安定的な経営体制を築くことにもつながります。

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